一筆多論

韓国は「あちら側」へ移った 榊原智

共同宣言に署名し、韓国の文在寅大統領(右)と抱擁する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2018年4月27日午後、板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)
共同宣言に署名し、韓国の文在寅大統領(右)と抱擁する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2018年4月27日午後、板門店の韓国側施設「平和の家」(韓国共同写真記者団撮影)

火器管制レーダー照射や「徴用工」訴訟などで日韓関係は最悪の状態になった。

慰安婦問題、旭日旗の排斥、竹島の不法占拠もある。日本人の対韓感情は冷め切った。レーダー照射をめぐる日韓防衛当局の協議では、韓国側は非公開の約束を破った上にでたらめな発表までした。防衛省・自衛隊をはじめ政府内にも「韓国疲れ」は広がっている。

今年は、3・1運動から100年にあたる。韓国の反日行為は収まらないだろう。

政府は今、韓国に2つの対応をとっている。第1に、反日行為の非を認め、政策を改めるよう働きかけている。第2に、韓国との安全保障協力は維持しようとしている。

岩屋毅防衛相はシャナハン米国防長官代行と会談し、日韓関係が悪化する中でも日米韓の安保協力による対北抑止力が必要との認識で一致した。河野(かわの)克俊統合幕僚長は会見で、レーダー照射を韓国は認めるべきだとしつつ、「日韓の防衛関係は北朝鮮情勢をにらむと非常に重要だ」と語った。北朝鮮の核・ミサイルの脅威は少しも減じていないためだ。

2つの対韓政策を遂行するのはいずれも難しいことだが、それ以外の選択肢はないだろう。

さらに日本には、これらと並行して取り組むべき課題がある。

まず、「歴史問題はあるものの同じ陣営にいる韓国」という従来の認識を改めなくてはならない。

日本からみて韓国は法の支配や国際法の尊重など基本的価値観を共有できる国ではなくなった。2005年の「親日派財産没収法」という事後法の制定の時点ですでに価値観共有はあやしかったが、それが対外関係にまで及んでしまった。

日韓合意をほごにした慰安婦問題や、国交の基礎である日韓請求権協定を顧みない「徴用工」訴訟への韓国の対応を見れば、近代的な条約体制を踏みにじって恥じない国になっていることが分かる。

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