ゴーン事件 識者に聞く(下)

情報開示意識した仕組みを 青学大の八田進二名誉教授

八田進二(青山学院大学名誉教授)=10日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)
八田進二(青山学院大学名誉教授)=10日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)

 --日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の報酬過少記載事件をどうみる

 「役員報酬の開示は米国では高額報酬を抑止する観点から導入された経緯があるが、日本で平成22年3月期から上場企業に1億円以上の役員報酬の個別開示が義務付けられたのは、株主や投資家がガバナンス(企業統治)の状況を確認できるようにするのが目的だ。経営者には正当な手続きを踏んで経営しているかを透明性のある形で情報発信する義務があるが、それをことごとく裏切っている」

 --高額報酬を記載すると、「労働者がよく思わない」と話しているようだ

 「もともと、自身の報酬を年20億円程度に設定していたが、個別開示の義務化を機に約10億円に減額して記載した。会計的な発想ではいかにも恣意(しい)的に操作したように映る。情報がもたらす意味の重要性を認識しているプロであり、それゆえに隠蔽(いんぺい)や先送りをしたいと思ったのではないか」

 --不記載報酬を既に受け取っているわけでなく、形式犯との見方もある

 「会計を知らない人の見方だ。将来支払う報酬は金額が確定していなくてもある程度見積もりをした上で、払うと決めた会計年度に計上する必要がある。また、一度採用した会計処理は正当な理由がない限り変更してはいけないという『継続性の原則』も会計上重要で、20億円の報酬を正当な理由なく半分に変えているのだから、継続性違反でもあるとみている」

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