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国内最大の前方後円墳、堺市堺区の仁徳天皇陵=大山(だいせん)古墳、墳丘長486メートル=で、宮内庁と堺市による共同発掘が行われた。同庁が外部機関と調査するのは初めてで、墳丘を囲む堤(つつみ)から円筒埴輪(はにわ)や石敷きが出土。埴輪の型式から築造時期が5世紀前半~中頃の可能性が高まった。発掘現場が報道関係者に公開されたのも初めてだった。立ち入りは墳丘本体ではなく堤の一部とはいえ、これまでベールに包まれた天皇陵の内部をうかがい知ることができた。(小畑三秋)
まるで森の中
「土はふかふかしている」
堤に足を踏み入れたときの第一印象だ。報道関係者への現地公開が行われたのは11月22日。約50人が、前方部側の鳥居が設けられた「拝所」の脇を歩いて、発掘現場へ向かった。
堤は幅が30メートルほどだが、マツやカシ、クスなどが生い茂り、森の中に入ったようだった。
堤には、宮内庁職員が古墳内を見回るための幅2メートルほどの巡回路が延びていた。この部分は下草もなく歩きやすいが、巡回路から外れた部分は枯れ葉などによる腐植土が堆積。ふかふかした感触は、このためだった。