睡眠剤混入懲役24年 遺族「刑期短い」 被告への不信感あらわ

 平成29年に千葉県印西市の老人ホームで睡眠導入剤入りの飲み物を飲んだ職員らが交通事故などで死傷した事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元職員の准看護師、波田野(はたの)愛子被告(72)に対し、千葉地裁は4日、懲役24年の判決を言い渡した。判決後、殺害された同僚の山岡恵子さん=当時(60)=の次男(37)は記者会見に応じ、「懲役24年は短い。『あと何年刑務所で過ごせば刑務所から出られる』という希望を波田野被告には持ってほしくない」と語気を強めた。

 「優しい母だった。将来的に、母と一緒に自宅を改築して通所サービスをやろうと考えていたが、夢は絶たれた」。会見で次男はこう悔しさをにじませた。

 次男は被害者参加制度を利用し、裁判を傍聴。「(波田野被告は)公判中、涙の一つもこぼさなかった」といい、波田野被告が次男に頭を下げた場面についても、「その後も被告は『殺意はなかったです』と言った。誠意のある謝罪だとは思っていない」と言い切った。

 老人ホームの寺田洋介施設長(46)もこの日会見を行い、「波田野さんは本当のことを話していないと感じた。自分のしたことにしっかり向き合ってほしい」と被告に反省を求めた。

 事件前、老人ホームでは山岡さんが中心となり、地域との交流を進めてきた。設立から日の浅いホームの運営方針も寺田さんとともに考えていたといい、「今の施設は、山岡さんが目指していたにぎやかな場所になっていると思う」と志し半ばで亡くなった山岡さんをしのんだ。

(千葉総局 橘川玲奈)

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