わずか3畳…でも人気 都心で増える狭小賃貸物件

「気にならない」

 実際の住み心地はどうなのだろうか。

 アルバイトの神田羽蘭(うらん)さん(21)は、都内の駅から徒歩7分にある、ククリシリーズの物件に10月から住んでいる。床面積は9平方メートル、家賃は管理費込みで6万4000円。居室内は端から端まで5歩程度だが、「広さにこだわりはありませんでした。狭いかな、と思ったけれどすぐに慣れました」と神田さん。

 「ロフトがあって室内が白い部屋」を探していたところ、インターネットで見付けたという。

 作曲の仕事を目指している神田さん。居室の作業用机には作曲に使う鍵盤楽器。ロフトに向かうはしごの下には衣装ケースが重ねてある。テレビはなく、「パソコンとスマホでネット番組しか見ません」。ロフトが寝室だ。

 冷蔵庫と電子レンジはあるが自炊はせず、食事は外食かスーパーの総菜で済ます。浴槽はなくシャワー室だけだが、「実家でも、月に1回浴槽につかるくらいでした」。狭いので掃除もすぐに終わる。「1人暮らしなら、私にはここが最適かな」と笑顔を見せた。

今、必要なモノで暮らす

 狭小賃貸が注目される背景には、価値観の変化も影響しているようだ。スーモの田辺副編集長は「必要なモノだけあればいいという価値観の人にマッチしたのではないでしょうか」と分析する。

 洗濯機がなくても最近はコインランドリーが充実し、洗濯代行サービスもある。都心ならコンビニエンスストアが至るところにあり、冷蔵庫代わりに使うことも可能だ。総菜を扱う店も増えている。洋服は季節ごとにインターネットで売り買いするという若い人も。荷物のない暮らしが実現できる時代になっているのだ。

 田辺副編集長は、「暮らしの分散が可能になってきています。家に求めるものが、安眠と最低限の荷物が置けること、郵便物がちゃんと届くことになってきているのではないでしょうか」と話している。

(文化部 油原聡子)

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