Q&A 米のイラン制裁とは…猶予180日で日本どうする

 トランプ米政権が5日、イラン産原油などに対する制裁を再開した。制裁の経緯などを振り返った。

Q制裁を再開するのはなぜ?

A トランプ政権はイランを中東での脅威と考えている。イランが武装勢力の支援などを通じて影響力を拡大しているとみているからだ。そんなトランプ政権にとって、イランの核開発を制限する見返りに経済制裁を緩和した2015年のイラン核合意は「手ぬるい」内容だった。核開発の制限が将来、段階的に解除されることなどに不満を示していた。

 今年5月に核合意から一方的に離脱すると表明した際には、核開発の完全放棄のほか、武装勢力支援や弾道ミサイル開発の停止を求めた。制裁再開は、そのためにイランを孤立させ、圧力をかけるのが目的だ。

Q制裁の内容は

Aトランプ大統領は「史上最強の制裁」だと表現している。イランの基幹産業である原油の取引や港湾、海運部門が対象で、外国金融機関のイラン中央銀行との決済も禁じられる。違反した企業や個人は米国との経済活動を制限される恐れがある。米国はイランを締め上げて、ミサイル開発の制限なども含めた交渉に引きずり出すつもりだが、欧州などは核合意の維持を主張しており、再交渉は困難な情勢だ。

Qイラン国内の状況は

A通貨リアルの価値が対ドルで急落し、輸入品の価格が急騰している。昨年末から、経済低迷に怒る国民の反政府デモも起きるようになった。心理的な危機感はすでに国民の間に広がっており、イスラム教シーア派の聖職者が国家を指導する現在の政治体制への不満が拡大しかねない。

Q日本への影響は?

A制裁再開の例外として、日本など8カ国の原油輸入は一定期間、容認される見通しだ。例外措置は、原油価格が大幅に上昇しないようバランスを取るためとみられる。ただ、容認される猶予期間は180日。原油輸入の完全停止を求める米国の圧力が今後強まる可能性も否定はできない。(カイロ 佐藤貴生)

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