滋賀県多賀町の名神高速道路で昨年11月、スマートフォンを見ながらトラックを運転して事故を起こし、5人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪に問われた元トラック運転手、前田博行被告(51)の控訴審判決公判が4日、大阪高裁で開かれた。西田真基(まさき)裁判長は、検察側の求刑(禁錮2年)を上回る禁錮2年8月とした1審大津地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。
西田裁判長は判決理由で「求刑は検察官の意見に過ぎない」とした上で、「スマホを見ながら運転するのは事故に直結しやすい行為」などとして、求刑を超える量刑を選択したのは妥当と判断した。
1、2審判決によると、前田被告は平成29年11月21日、名神高速を走行中、スマホの操作に気を取られて前方の車に追突して多重事故を起こし、男性会社員=当時(44)=を死亡させ、4人に軽傷を負わせた。