消費者安全調査委員会(消費者事故調)は28日、車庫などの電動シャッターに挟まれる事故が平成13年以降、28件あり、14人が死亡したと発表した。主な事故原因は安全装置の未整備や故障で、製造業者に対策を促す必要性を指摘した。一方、使用者の半数以上が閉まる途中のシャッターをくぐり抜ける危険な行為を経験していたことも判明。使用者にも注意喚起する必要があるとしている。
消費者事故調によると、28件は13年6月~29年9月に発生し、死者のほか13人が重傷を負った。そのうち情報収集が困難なケースなどを除いた5件(死亡3件、重傷2件)を抽出して詳細に調査したという。
その結果、死亡事例3件のうち2件で電動シャッターが障害物を挟むと停止するなどする安全装置が設置されていなかったことが分かった。残る1件と重傷の2件は、安全装置が故障するなどしたため、機能していなかった。
また、主要製造業者5社のうち4社が、所有者情報を把握しておらず、点検を促す取り組みをしていないことも判明したという。
消費者事故調は、経済産業省に「安全装置の普及に加え、所有者への保守点検の実施を勧められるように製造業者を促すべきだ」などとしている。
一方、消費者事故調は電動シャッター使用者1千人を対象に調査。その結果、半数を超える56%が閉まる途中のシャッターをくぐり抜けたことがあると回答した。消費者事故調は、使用者側の安全意識にも課題があると指摘。「電動シャッターは挟まれると重傷を負うほどの負荷がかかる可能性がある。使用者には注意事項だけではなく事故の危険性にも注意してほしい」と訴えた。