このうち5棟は一棟丸ごと貸し切るタイプ。室内は高級北欧家具をしつらえ、誰にも邪魔されずゆっくりくつろげる。浴室やミニキッチンがあり、コンドミニアムのように食材を持ち込んで調理することもできる。残る2棟は客室タイプで、一人旅に最適という。初年度の宿泊客は5600人を見込む。3年目には6600人、このうち外国人は3割に達すると予想する。
今春にプレオープンしたが、利用客は「京都からわずかしか離れていないのに町家の風情を堪能できた」「商店街を散歩してみると、ユニークなお店が多く、新たな発見と出合えた」と評価。想定通り、ホテルとその周辺の商店街を行き来していることが分かった。
こうした回遊を大津市は期待する。館内に必要なコンテンツをそろえて宿泊客を囲い込む一般のホテルと違い、商店街を丸ごとホテルに見立てているからだ。利用客は、7棟のうちフロント機能をもつ「近江屋」でチェックインし、屋根のあるアーケード街をホテルの廊下のように歩きながら宿泊先に向かう。
このとき見つけた気になるお店で食べたり飲んだりし、銭湯で汗を流すこともできる。商店街から少し足を延ばせば琵琶湖や三井寺、比叡山延暦寺、石山寺の景観を楽しめる。