「石切さん」として多くの人に親しまれている石切劔箭(つるぎや)神社(大阪府東大阪市東石切町)も、一部の建物が台風21号の強風で破壊されるなどした。被害を受けた建物の改修のめどは今のところたっていないという。
同神社の岩田泰明(ひろあき)禰宜(ねぎ)は4日午後3時ごろ、節分祭で福豆をまく際に使う木造2階建ての絵馬殿の異変に気がついた。岩田禰宜が強風がやんでから様子を見に行くと、2階部分を囲むように設置されていた約30枚の戸のすべてが外れていた。そのうち数枚は地面に落下。金属製の灯籠も壊れていたという。
境内では、高さ数十メートルのスギやエノキが根元から倒れており、参拝客の立ち入りを禁止。岩田禰宜は「想像を超える強風で枯れていない枝も多く折れた。こんなこと、今まで経験したことがない」と振り返った。
一方、本殿や御神木はほぼ無傷で、参拝客や同神社の職員らにけが人はおらず、岩田禰宜は「被害は最小限にとどまったと思う」と話した。
同神社を毎日訪れるという近くの主婦、田中一江さん(78)は「石切さんに親しみをもっている人は多い。台風で少し痛ましい姿になっていたが、早く元通りになってほしい」と話していた。
このほか、岸和田城(岸和田市岸城町)でも倒木の影響で、臨時休園したほか、河内長野市三日市町(みっかいちちょう)の市指定文化財「旧三日市交番」の屋根瓦数十枚が割れるなどの被害が出た。