映画「終わった人」(中田秀夫監督)で第42回モントリオール世界映画祭の最優秀男優賞を受賞した俳優、舘ひろしさんが4日、東京都内で記者会見を開き、「俳優として終わった人になってもいい。僕の演技が評価されるなんて申し訳ない気持ち。本当にいいのかな」とジョークを交えながら喜びを語った。
日本映画の同賞受賞は1999(平成11)年の高倉健さん(「鉄道員」)以来とあって、会場には約100人の報道陣が集まった。
舘さんは高倉さんの受賞に言及し、「私は今でも本当に演技に自信がなくて…。私なんかと違い、高倉さんはずっと大スターでした。同じ賞をいただけるなんて本当に光栄です」と恐縮した面持ちで答えた。
また、所属する石原プロの設立者であり、俳優としても尊敬する石原裕次郎さん(1934~87年)にも触れ、「僕が映画で賞を獲ったと知ったら、喜んでくれるだろうな」と思いをはせた。
受賞理由については、「まったく分かりません。ただ、演技についてはカットごとに中田監督と密に相談し、迷いながら丁寧に作ることができた。あとは共演者にも恵まれ、現場が楽しく、僕が気持ちよく演技できたからでしょうか」と分析した。