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若手監督の登竜門として知られる自主映画の祭典、「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」(9月8日開幕)が、今年で40回目を迎える。近年、映像作品を競い合う場はほかにも増えているものの、昨年のグランプリ作品「わたしたちの家」(清原惟(ゆい)監督)と観客賞の「あみこ」(山中瑶子監督)が今年のベルリン国際映画祭に選出されるなど、老舗のPFFアワードは重みが違う。その影には極めて厳正な審査があるといわれるが、最終段階の2次審査に報道陣として初めて立ち会った。
審査メンバーは16人
2次審査を取材するにあたり、PFF側から一つだけ条件が出た。それは2日間、計10時間に及ぶ審査会のすべてを見学してほしいというものだ。一部分だけ見ても理解してもらえないのではないか、というのが理由だった。
6月下旬のとある週末、東京・渋谷のぴあ本社に16人の「セレクションメンバー」が集まった。3人はディレクターの荒木啓子さんを含むPFFスタッフで、残る13人は映画館従業員や映画会社社員、ビデオ店の店員に映画ライターと、日頃から数多くの映画に接している20代から40代だ。「Dressing Up」(平成24年)の安川有果(ゆか)監督、「泳ぎすぎた夜」(29年)の五十嵐耕平監督と2人の映画作家も含まれていた。