公正取引委員会が、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県を地盤とする十八銀行の経営統合を承認したのを受け、FFGの柴戸隆成社長は24日、福岡市内で記者会見し、「統合はこれからが本番。市場縮小の中、地域の活性化や銀行の成長につなげたい」と統合に向けた作業を急ぐと語った。会見には、十八銀の森拓二郎頭取、FFG傘下で統合後に十八銀と合併する親和銀行(長崎県佐世保市)の吉沢俊介頭取も同席した。
冒頭、FFGの柴戸氏は「厳しい市場環境の中、公取委は真摯(しんし)に(こちらの説明に)耳を傾けられ、建設的な意見を出していただいた。感謝します」と公取委への感謝の弁を語った。一方、「統合で消費者の利益が弊害を受ける」という公取委の考え方については、「地域金融機関の経営基盤が揺らげば、地元への影響は深刻になる」と反論。「5月以後、全ての取引先に趣旨を説明し、慎重に(他行への)借り換えニーズをうかがってきた。同意に基づく貸出債権の移転を公取委に提案した結果、クリアランスの受領にいたった」と説明した。