廃棄の鯨肉で機能性食品 商業捕鯨再開へ、副産物100%活用 政府開発検討

 クジラ資源の持続的な利用に向け、政府が捕鯨の副産物の百パーセント活用に乗り出すことが21日、分かった。「くず肉」などとして処分していた鯨肉から抗疲労物質を抽出し、機能性食品を開発することなどを検討している。商業捕鯨の再開を目指し、国際社会への働きかけを強める中、国内でも捕鯨の副産物を余すことなく使う取り組みを強化する。

 水産庁が平成31年度当初予算の概算要求に関連予算を盛り込む方向で調整している。食用肉などを切り取った残りから、疲労回復や認知症予防の効果があるとされる成分「バレニン」を抽出し、機能性食品を開発する。

 クジラは「捨てるところがない」と重宝されてきた。ただ、脂肪分の少ない「赤肉」は引き続き人気が高いものの、表皮と皮下脂肪層を指す「本皮」などの部位は若い世代を中心に敬遠されがちで、需要喚起が課題となっている。このため飲食店や学校給食向けにレシピを作り、国民がクジラ料理に親しむ機会を増やす取り組みも始める。

 政府は9月にブラジルで開かれる国際捕鯨委員会(IWC)総会に、(1)資源が豊富な一部鯨種の商業捕鯨の再開(2)決定手続きの要件緩和-を提案。一括での全会一致の合意を目指している。

 政府が国内でのクジラ資源の百パーセント利用を後押しする背景には、商業捕鯨再開に向け、国際社会の理解を得やすくする狙いもある。

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【用語解説】機能性食品

 健康の維持や増進に役立つことが、科学的根拠に基づいて認められた食品。「コレステロールの吸収を抑える」といった効能の表示を国が許可する「特定保健用食品(トクホ)」や、国に届け出れば、許可がなくても事業者の責任において効能を表示できる「機能性表示食品」などがある。

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