甘口辛口

往生際が悪すぎた自称「歴史の男」山根明会長

 ■8月9日 「私は歴史に生まれた歴史の男。自分の判断は自分で決める」。日本ボクシング連盟の山根明会長(78)は8日正午に進退を発表するとした。昭和20年8月15日に昭和天皇がラジオを通じて国民に日本の降伏を発表したのも正午。焼け跡世代の「歴史の男」としては、自らの「終戦記念日」の思いを込めて正午にこだわったのか。

 というのは考えすぎで時間はどうでもよかったらしく、始まったのは12時半すぎ。理路整然と冷静に話せるタイプではなく、これまではメディアに対して一方的にまくし立て放言、失言、暴言、妄言…の数々。会見で何を言い出すか興味津々だったが、辞任発表だけで質問も受けずに終えた。

 肩すかしもいいところだったが、辞任の理由がふるっていた。「理事会で会長一任といわれ、家に戻って再婚している嫁に相談したらどういうことがあっても会長を死ぬまで面倒みるといわれた」。辞任の決定打となった暴力団元組長との交際もそうだが、再婚などとつい言ってしまうのは根が正直なのだろう。

 それにしてもテレビのワイドショーの影響力にはいまさらながら驚く。先月末の告発からわずか10日ほど。白髪でオールバック、色つきメガネからのぞく鋭い眼光、迫力ある風貌がいかにもテレビ向きでワイドショーの好餌となり、権力をほしいままにした「山根帝国」崩壊の一部始終がリアルタイムで白日の下にさらされた。

 とはいえ山根氏は「辞任する」といっても具体的な役職は触れず、理事を辞任するとまではいわなかった。反対派からは「まだまだ何をやってくるかわからない」と警戒の声も聞かれる。だとすれば「歴史の男」にしては往生際が悪すぎる。 (今村忠)

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