主張

全国学力テスト 競い合う効果が定着した

 小・中学生の全国学力テストの結果、学力の底上げが確認された。

 都道府県ランキングや全国平均との差がわかる全員参加のテストである。下位は上位の指導法に学んできた。競ってこその成果である。

 今回は国語や算数・数学に加え、3年ぶりに実施された理科でも、下位層と全国平均の差が縮小した。

 都道府県別に加え、政令指定都市別の平均正答率が昨年から公表されたことも評価できる。

 20の政令市の中で、成績が振るわなかった神奈川県相模原市では、国語と算数の基礎問題で上位との差を縮めた。誤答の多い設問を分析し、指導を見直した。今年度から教育予算を増額し、補習授業なども行っているという。

 大阪市や福岡市でも指導改善に取り組んだ効果が出た。

 都道府県別で上位層の石川や秋田などでもテスト結果を分析し、授業改善を続けている。

 秋田では、昭和30年代の学力テストで成績不振だった反省から長年、指導法の研究を重ねてきた。それを他県が視察に訪れ、参考にしている。

 昭和30年代の学力テストは、日教組の激しい反対運動で中止された経緯がある。「ゆとり教育」による学力低下が批判される中、平成19年度に小学6年と中学3年を対象とする全員参加のテストが復活した。旧民主党政権下で抽出調査へと縮小されたが、その後、全員参加に戻された。

 相変わらず、「競争をあおる」「序列化を招く」といった批判があるが、的外れである。競い合いの効果を直視し、もっと学力テストを活用すべきだ。

 学力の課題はなお多い。中学の理科で、食塩水の濃度に関する問題は前回に続いて正答率が低かった。学年が上がるにつれ、数学的な要素が加わり、理科嫌いが増える傾向がある。

 学力テストと同時に行われたアンケートで、理科の勉強について「好き」「大切だと思う」割合が、前回調査より減ったのは科学立国として気がかりだ。

 小学校では実験指導など理科が苦手な教員もいる。指導する側が理科嫌いでは、子供たちの興味も育たない。

 基礎を分かりやすく教えるとともに、その先の科学の魅力を十分に教えられる教師の育成と授業の工夫に知恵を絞ってほしい。

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