福岡市内で24日、ITセミナー講師で有名ブロガーとして知られていた岡本顕一郎さん(41)が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の容疑で逮捕された無職、松本英光容疑者(42)は犯行直後、「ネット弁慶を卒業」などとネット上に犯行声明とみられる書き込みをしていたことが分かった。
松本容疑者とみられる人物は、ネット上で挑発の際に「低能」という文言を多用し「低能先生」と呼ばれていた。岡本さんは、「Hagex(ハゲックス)」名義で運営するブログで「複数のユーザーに誹謗(ひぼう)中傷を繰り返している」などと批判していた。
声明には「俺を『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封殺してきたお前らへの返答だ」と記載され、「ネット弁慶を卒業してきた」との文言もあった。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「(ネット弁慶は)ネット上では強気でいたり、人を見下したりするが、現実世界ではコミュニケーションが上手ではない人を揶揄(やゆ)する言葉」と解説する。
ネットの世界で実名で活動している人にとっては恐ろしい事態だ。井上氏は「被害者のスケジュールが知られたことが不幸だった。ブログなどで発信するときに表現やプライバシーに気をつけるべきではないか」と注意喚起している。