振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)=破産=が売上高を粉飾した決算書類で銀行から融資を受けたとされる事件で、詐欺容疑で神奈川県警に逮捕された同社元社長、篠崎洋一郎容疑者(55)が国内で保有する銀行口座からまとまった預金残高などが確認されなかったことが25日、捜査関係者への取材で分かった。篠崎容疑者は役員報酬の一部を海外の口座に移して、逮捕直前までの米国滞在費に充てていた可能性があるという。
捜査関係者によると、帰国時の所持金も数万円程度だった。篠崎容疑者は1月の謝罪会見で「債務返済に充てられるような個人的資産はない」と説明していたが、3月から約3カ月間は家族と米国に滞在していた。
一方、篠崎容疑者は平成28年に粉飾した決算書を示して銀行から融資を受けていた当時も、年間約4500万円の役員報酬を受け取っていたとされる。複数の関係者によると、篠崎容疑者は数年前に海外での婚礼ビジネスの展開を検討していたことなどから、海外で銀行口座を作成していたとみられる。
県警捜査2課は、国内口座で約3カ月の米国滞在費に充てられるような残高や出入金が確認されなかったことなどから、篠崎容疑者の米国滞在費の出所についても調べを進める方針。また、同課は25日、篠崎容疑者を横浜地検に送検した。