学校法人「加計(かけ)学園」の加計孝太郎理事長は19日、岡山市の学園本部で記者会見し、愛媛県今治市での獣医学部新設をめぐり、愛媛県文書に記載された平成27年2月の安倍晋三首相との面会について「記憶にも記録にもない」と述べ、否定した。一方、学園側が「獣医学部新設に関し、首相と加計氏が面談した」と誤った情報を県に伝えたとして「多大な迷惑をかけた」と謝罪した。加計氏が取材に応じたのは一連の問題発覚後初めて。
学園は、県に誤った情報を伝えたと認めた渡辺良人事務局長を減給10%(6カ月)の処分とした。加計氏は監督責任を取り、給与の10%を1年間、自主返納する。加計氏は「(誤った情報は)事を前に進めるために申し上げたと報告を受けた」と話し、自らの指示は否定。理事長職は続投する意向を示した。
加計氏は、国家戦略特区を活用した学部新設の申請に「全く問題なかった」と強調。首相との関係について「長年の友達だが、仕事の話はしない。首相と仲が良かったことで、こういうことが起きた」とし、学部新設についても「連絡していない」と話した。