動画サイト「ユーチューブ」で石破氏の名前を検索すると、再生回数が260万回を超える動画もある。橋下徹前大阪市長(48)の300万回以上には及ばないが、首相の80万回以上、野田氏の20万回以上、「ポスト安倍」とされる岸田文雄政調会長(60)の7万回以上をしのぐ。
ただ、石破氏のランキング上位の動画は、自民党が下野し、石破氏が政調会長として旧民主党政権に論戦を挑んでいた頃のものがほとんどだ。首相が政権に復帰すると潮目は変わり、安倍政権に苦言を呈すれば、ネット上で「後ろから鉄砲を撃つのか」との批判が並ぶようになった。
石破氏は28年11月に無料通話アプリ「LINE」に自身のスタンプ「イシバくん」を導入するなど、ネットで先駆的な取り組みを行っている。ただ、今年5月に始めた石破氏の写真共有アプリ「インスタグラム」のフォロワー数は2000以下で、首相の16万には遠く及ばない。
石破氏が首相の座を射止められるかは、安倍政権の世論人気の動向にも左右されるだろう。民主党を政権から引きずり落とした功労者と言える石破氏を首相に担ぐならば、石破氏側近たちが積極的に多数派工作をしかけてはどうかと思うが…。
(政治部 奥原慎平)