養女との間に生まれた乳児を出産直後に殺害、遺棄したとして殺人と死体遺棄の罪に問われた新潟県糸魚川市歌の無職、中村栄志被告(67)の裁判員裁判の論告求刑公判が18日、新潟地裁(山崎威裁判長)で開かれ、検察側は懲役12年を求刑した。中村被告は「一切やっておりません」と改めて無罪を主張し、結審した。判決は27日。
起訴状などによると、中村被告は平成26年7月上旬ごろ、自宅の2階寝室で、同居していた養女(31)=懲役4年の実刑判決が確定=に「泣く前にやってしまえ」などと乳児の殺害を指示。その後、遺体の遺棄に関わったとしている。これまでの公判で、中村被告は犯行に関与したことを全面的に否定していた。
裁判は養女の証言の信頼性が重要となっており、検察側は医療機関の診療記録などから「証言は具体的で、真実を知らないと話すことはできない」と主張。
弁護側は乳児の遺体がいまだに発見されていないことや、養女が中村被告に強い恨みを抱いていたことなどを指摘し、「証言の裏付けは乏しく、全体として信用できない」と反論した。