署員が病院で事情を聴いたところ、女が「ベランダから落とした」と認めたため、署員は現場へ任意同行を求めた上で、殺人容疑で緊急逮捕した。
習いごとにも熱心
女は自宅マンションの5階ベランダから長女を地上12~13メートルの高さから投げ落とし、殺害した疑いが持たれている。
夫は「気付いたときには妻が長女を抱えてベランダへ出ていた」と証言。府警は止めようとした夫を振り切り、女がベランダの柵(高さ約1・1メートル)越しに投げ落としたとみている。
府警が遺体を司法解剖した結果、長女の死因は頭部を強く打ったことによる脳挫傷と判明。一方、投げ落された際の傷以外はなく、日常的な虐待や育児放棄の痕跡は確認できなかった。
現場マンションでは昨年9月、子供の泣き声が聞こえるとの通報こそ寄せられていたが、児童相談所には女や長女に関する取り扱いはなかった。
求めた「完璧な母親像」
むしろ女は育児に熱心だったといえる。長女にリトミックダンスと呼ばれる幼児向けの音楽教育を体験させたり、水泳教室にも通わせたりしていた。
ただ、ある捜査関係者は「ママ友同士の付き合いの中で、子育てへの重圧を募らせていったのかもしれない」と言う。
それ以前にも女は産後すぐに育児の不安からか、不眠や食欲不振に陥り、数カ月間通院していたこともあった。夫は警察の調べに対し、女について「以前から精神的に参っていた」と明かした。