「民泊」を特殊詐欺の拠点にして、高齢男性から現金をだまし取ろうとしたとして、大阪府警は13日、詐欺未遂容疑で住居・職業不詳、伊沢隆容疑者(27)ら男3人を逮捕した。
府警は同日、拠点となっていた大阪市西成区千本南の民泊施設を捜索。携帯電話50台と約5万7千人分の名簿、現金約370万円を押収した。逮捕された3人は、虚偽の電話をする「かけ子」だったとみられる。
府警によると、グループは今月初旬から、宿泊客としてこの民泊を利用。パソコンなどの機材を持ち込み、詐欺の電話をかけていたとみられる。大阪市内にある少なくとも5カ所の民泊を1~2週間ごとに転々としており、府警は施設にフロントなどがなく、チェックされにくい民泊の特性を悪用したとみている。
他に逮捕されたのは、いずれも住居・職業不詳、曲田(まがりだ)憲司容疑者(29)と自称、須藤駿容疑者(20)。逮捕容疑は共謀し同日午前8時から同11時、大阪府岸和田市の80代男性に孫を名乗って電話をかけ、「株に手を出して失敗した」などと嘘を言って現金750万円をだまし取ろうとしたとしている。