りそな総合研究所は8日、平成29年の民泊市場が初めて1千億円を突破する1251億円となり、前年の619億円から倍増したとの推計を発表した。地域別では関西が447億円で、434億円の関東を抜いた。都道府県別では東京が307億円と首位で、大阪(264億円)、京都(137億円)が続いた。
りそな総研は、推定される民泊の宿泊者数や宿泊日数などから市場規模を推計。大阪府は前年比2・5倍、京都府は同2・3倍だった。関西で民泊需要が特に高まった要因は、格安航空会社(LCC)を利用して訪れるアジアからの訪日客の多くが、宿泊料が割安の民泊利用を好んだためとみられる。大阪観光局の調査によると、昨年に来阪した訪日客は約1111万人で、約2割は民泊に宿泊しているという。
住宅で旅行者の有料宿泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が15日に施行され、これまで大半を占めていたとされる「ヤミ民泊」は大幅に減る可能性が高い。りそな総研の荒木秀之主席研究員は今年の民泊市場は「縮小する」と予想する。
民泊新法は営業日数制限や安全対策の実施などを求める厳しい内容で、認可のための届け出は低迷。6万件を超えていた民泊物件は、2~3割程度に減少するとも推測されている。