元日本赤軍メンバーでレバノンに政治亡命中の岡本公三容疑者(70)側に使用させるキャッシュカードをだまし取る目的で、銀行口座を不正に開設したとされる事件で、詐欺罪に問われた左翼系新聞「人民新聞社」(大阪府茨木市)社長、山田洋一被告(61)の論告求刑公判が23日、神戸地裁(川上宏裁判長)で開かれ、検察側は懲役2年を求刑し結審した。判決は7月18日。
論告で検察側は、山田被告は岡本容疑者の支援者にカードを送付しており「個人利用が前提の銀行の規約に違反する」と指摘。「虚偽の申請をし、第三者に使用させる目的で口座を開設した」と指弾した。一方で弁護側は「支援者は(山田被告の)代理人で、銀行の規約に違反はしていない」と無罪を主張した。
起訴状によると、山田被告はカードを他人に使用させる目的で平成24年2月に銀行口座を開設。同年2月と8月に銀行からカードをだまし取ったとされる。岡本容疑者はイスラエルの空港乱射事件で国際手配され、レバノンに政治亡命している。