「死と向き合ったからこそ」がん闘病の女性、今を生きるための「生前整理」広める

自分の人生をビジュアル化 「母は楽しく生ききった」と言われたい

 まず「自分史」を作る。さらに多数の写真を取捨選択して、自分の人生はこういうものだったとビジュアル化する。月々の電気代がいくらか、何日に引き落としがあるか、ローン残高はいくらか、そういった細かいことも書き出す。こうした諸々の作業が生前整理だ。

 遺品整理の現場からこうした発想が生まれ、25年7月に生前整理普及協会(名古屋市中村区)が設立された。協会が講師を認定するなどして普及を進めており中川さんもその1人。現在、全国に約300人の認定講師がいるという。

 「家族に『お母さんは楽しく生ききった』と言われたい」と中川さん。当初は「なぜ死ぬことを考えるのか」と反発していた家族も次第に理解してくれるようになった。

「後悔の少ない人生」は送れる

 講座の受講者は自身や親の高齢化に向き合う50代以上が中心だが、「生前整理は死ぬためではなく、残りの人生を楽しむためにやること。若い人にも興味を持ってほしい」と話す。

 自身の病との付き合いは10年を超え、再発の可能性は低くなっている。「後悔のない人生は無理でも、後悔の少ない人生は送れる」とし「もし後悔するとしたら、生前整理をもっと多くの人に伝えればよかったってことかな」と、各地で思いを伝えている。

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