【パームビーチ=加納宏幸】トランプ米大統領は18日、ポンペオ米中央情報局(CIA)長官が極秘で北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と面会していたことを自身のツイッターで明らかにした。5月か6月初旬に予定するトランプ氏と金氏との首脳会談に向け、地ならしを行ったとみられる。
トランプ氏はポンペオ氏の訪朝について「面会はとても円滑に進み、良い関係を築けた」とツイート。北朝鮮の非核化について「世界にとってだけでなく、北朝鮮にとっても素晴らしいことだ」と強調した。
トランプ氏は、ポンペオ氏の訪朝が先週だったと説明。ただ、米紙ワシントン・ポストが訪朝について知る複数の消息筋の話として伝えたところでは、すでにティラーソン前国務長官の後任に指名されていたポンペオ氏が3月30日から4月1日の復活祭(イースター)連休を利用して訪朝したという。
ポンペオ氏は12日、米議会での指名承認公聴会で「米朝首脳が外交的成果を達成する道筋をつける対話の条件設定を楽観している」と述べていた。
米国の閣僚級による訪朝は、クリントン政権下の2000年10月のオルブライト国務長官(当時)、14年11月のクラッパー国家情報長官(同)の例がある。
トランプ氏は17日の安倍晋三首相との会談に際し、米朝会談の予定地に米国内を除く5カ所が検討されているとし、近く発表するとした。時期については「おそらく6月初旬かその少し前」になると語った。会談の実現可能性に関しては「物事がうまくいかず開かれないかもしれないし、強く前に進むかもしれない」と述べ、開催見送りの可能性を示唆した。
トランプ氏は、4月27日に予定される韓国の文在寅大統領と金氏との南北首脳会談で「戦争を終結させられるかが議論される」と語り、米国も歓迎するとした。休戦中の朝鮮戦争に関する南北の「終戦宣言」が念頭にあるとみられる。
米朝首脳会談に関し、米国家安全保障会議(NSC)のポッティンジャー・アジア上級部長は17日、記者団に対して、米国人3人が北朝鮮で拘束されている問題を取り上げる方針を明らかにし、人権問題を重視することを強調した。