「キャストを見て犯人が分かるってふうにはしたくないなと思った。たぶんこの中に国生さゆりさんがいたら絶対国生さんが犯人で、石野真子さんもたぶん…そういう感じの人が一人もいない。あっ、ちょっとこの人は怪しいですけど、草刈民代さん。いずれにしても、キャスティングで犯人が分かるってことはまずない」
脚本の三谷幸喜さん(56)は、出演者のボードを掲げながらニコリともせず、いつものように淡々と話し始めた。
映像化不可能とされた作品を実写化する「黒井戸殺し」(14日後9・0、フジテレビ系)。アガサ・クリスティ原作×三谷脚本のコラボが再び実現する。
野村萬斎演じる名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)が、大泉洋演じる医師・柴平祐を相棒に事件の謎に迫る。クリスティが1926年に発表した「アクロイド殺し」の日本初の映像化。6作目の長編小説であり、エルキュール・ポアロシリーズの3作目にあたる。
豪華なキャストは向井理、松岡茉優、秋元才加、和田正人、寺脇康文、藤井隆、今井朋彦、吉田羊、余貴美子、遠藤憲一、ほかに浅野和之、佐藤二朗、斉藤由貴。
「限られたところから犯人を導き出す。全員に物語の中で容疑がかかる。より楽しんでいただけるキャストだと思う」
自信を持ってコメントを続ける。高視聴率だった「オリエント急行殺人事件」(2015年1月放送)以来3年ぶりの三谷×クリスティ作品。当時から萬斎と「次はアクロイド。勝呂をシリーズ化したいね」と話していたという。クリスティへの思いが熱い。