2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は13日、東京都内でマスコット審査会を行い、最終候補作を3作に絞り込んだ。
今後は国内外の商標、意匠登録を確認し、類似作品がなければ登録を出願して12月初旬に公表。全国の小学生による投票で決定する。4〜9位の作品も決めており、類似する作品があって候補作を使用できない場合は順次繰り上げる。
審査会メンバーの夏野剛慶大大学院教授は「日本らしい、レベルの高い作品がそろった。言ってはなんだが、過去の五輪のマスコットに比べてはるかにレベルが高い」と評価。作品のイメージについて「ゆるキャラほど緩いデザインではなく、プロの作品と感じられるようなキチッとしたデザイン」と説明し、生駒芳子副座長は「かわいい文化の中にあるけれど、かっこいい。マスコット先進国の気概として神話に残るようにと話し合った」と表現した。
投票権を持つのは全国の小学校や特別支援学校、インターナショナルスクール、海外の日本人学校など約2万校の約27万クラス。国内の学校には、各都道府県などの教育委員会を通して特設サイトのURLを案内すると同時に、はがきでサイトのIDとパスワードを連絡。校長など各学校の代表者が事前に参加を登録する。候補作品の公表後は各学校のクラス単位で議論し、投票。代表者が結果をとりまとめてサイトに入力する。投票結果は来年2〜3月に発表される。
夏野さんは「日本の学校ではクラスディスカッションが活発ではない。先生にお願いしたのは、単に『かわいいから』ではなく、『きっとオリンピックってこうだから、これがいい』とか、『こういうデザインが日本を象徴するから、外国から来る人にもいい』など、自分なりの意見をディスカッションしてほしい」と希望。審査会メンバーでパラリンピアンの田口亜希さんは「この機会に、オリンピックやパラリンピックの歴史や意味、価値を、各クラスで議論して知っていただきたい」と期待した。