人肉食事件はその後のソ連社会でもたびたび発生したとみられているが、ロシアの犯罪心理学者、ビノグラドフ氏は産経新聞の取材に、ソ連時代は「そのような報道自体がなされていなかった」ために、表面化しなかったのが現実だとの見方を示した。
ビノグラドフ氏は、ソ連時代もクラスノダールで人肉食事件が発生したが、当時は肉を売り金銭を得るために行われた事件だったと指摘する。それに対して今回の事件は、容疑者の「精神的な異常性」や「肉を食べたい」という欲求が引き金だった可能性が高いとみられるという。
同氏はまた、容疑者が周囲の人々の人生について「極めて矮小化された考え」を持っていたとも分析している。
別の専門家は露メディアに、ロシア人の「負の特性」として、アルコールに依存しやすい点や精神的な病、さらに宗教心の低さなどがあるとし、それらが極度に進んだ場合に、人肉食などの猟奇的な犯罪に走ると指摘。そのような行為を行う犯罪者は、「自身がいかに悪いか」を周囲に強調したい倒錯した精神状態にあるケースが多いとも述べている。