産経抄

スー・チー女史のノーベル平和賞を取り消せ 9月15日

 2015年5月、すし詰め状態の密航船が、マレーシアやインドネシア沖の海上で相次いで見つかった。乗っていたのは、ミャンマーのイスラム教少数民族、ロヒンギャ族である。

 ▼数千人が水も食糧もほとんどないまま漂流していた。上陸できたとしても、人身売買組織によって奴隷労働を強要される運命が待っている。それでも国外脱出を図る人が後を絶たないのは、人口の約9割を占める仏教徒による迫害や差別に長く苦しめられてきたからだ。当時の軍事政権には国籍さえ奪われていた。

 ▼そんなロヒンギャ族にとって唯一の希望が、長年民主化を訴え続けてきたアウン・サン・スー・チー氏の存在だった。漂流事件から半年後に行われた総選挙では、スー・チー氏が率いる政党が勝利を収めた。

 ▼憲法の規定により大統領の肩書は得られなかったものの、実質の政権トップの座に就いた。今度こそ国民融和を実現してくれる、との期待が高まった。それは見事に裏切られた。新政権発足後も、政府による弾圧は続き、難民の数は増えるばかりである。

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