神戸市議会の橋本健市議(37)が市政報告のビラを架空発注し、政務活動費(政活費)で印刷代を申請したとされる問題で、印刷を請け負ったとされる同市内の業者が26日、弁護士を通じ、橋本市議から「(報道対応の)想定問答を作るので、その通り答えるだけでいいと説得された」などとする文書を公表した。想定問答はメールで送られ、橋本市議が疑惑否定に向けた回答をするよう求める内容だったとしている。
業者側が示した文書によると、想定問答を記したメールは23日午前に橋本市議から送られてきた。この日は橋本市議の架空発注疑惑を報じた週刊誌の発売日で、「ビラのデータを作るのが仕事」「下請けは橋本くんが指定したところに出した」などと記されていたという。業者は「橋本市議に電話で事実と異なるので協力できないと伝えた」としている。
橋本市議は23日の会見で兵庫県内の印刷業者に発注したとして、「架空発注はしていない」と疑惑を否定したが、業者は24日に発表した文書で「印刷の仕事をしていないのに請求書と領収書だけを橋本市議に頼まれて渡した」と主張した。
橋本市議は26日の業者側の発表後、産経新聞の取材に応じていない。