母の啓子さん(44)とは「小学校に入ってからもキャッチボールをしたり、バドミントンのシャトルを投げてもらって練習に付き合ってもらった」(中村)。啓子さんが仕事で不在の時は、祖父母が代役を務めたという。
「ここまで支えてくれた母や家族にしっかり恩返しがしたい」と力強く言い切る中村に、中井監督も「彼の夢はプロに入ることじゃない。『プロで活躍する姿を家族に見せてこそだぞ』とあの子には言っています」。
甲子園での大暴れで、その夢をつかむチャンスを手に入れた中村。大会終了後には高校日本代表に合流し、U-18ワールドカップ(9月1日開幕=カナダ)に出場する。そこでの活躍次第では、今秋ドラフトで早実・清宮幸太郎内野手を上回る評価を受けることになってもおかしくない。
■中村奨成(なかむら・しょうせい) 1999年6月6日生まれ、広島県出身。大野東小1年から野球を始め、3年から捕手。大野シニアでは県8強。広陵では1年春からレギュラー。50メートル走6秒0。遠投120メートル。181センチ、78キロ。右投げ右打ち。