次官辞任の際、前川氏は全職員に「多様性が尊重される社会を目指してほしい」とメールしたという。彼の多様性は、世界で最も極端に多様性を否定する、北朝鮮的な全体主義も肯定することを指すらしい。
政治・外交的な理由での不支給が不当などというのは、まさに文科行政にありがちな、縦割り行政での岩盤規制を擁護する唯我独尊的思考だ。
私も、文科省の立場として「支給したい」という思いが分からぬわけではない。戦後、韓国が在日同胞の帰国を嫌っていた時期、北朝鮮への帰還事業を日本政府も国益に合致するとして支援し、その文脈で朝鮮学校に否定的でなかった歴史も知っている。朝鮮学校の父母も日本で納税しており、保守派の多くの人ほど頭から否定的ではない。
しかし、朝鮮学校を高校無償化の適用対象とするか否かは、政府が拉致問題や国際情勢など含めて総合的に判断して問題はない。「文科省の縄張りだから、政治や他省庁は入ってくるな」とも受け取れる前川氏の発想は、とうてい容認できない。