産経抄

バトンが受け継がれる夏 8月13日

 何年前だったか。辛口のプロ野球評論で鳴らす豊田泰光さんが、「8月15日」に寄せてコラムを書いていた。豊田さんが西鉄入りした昭和28年は、戦争の影がまだ残っていたらしい。応召し、戦地に赴き、復員した一世代上の選手が各球団にいた。

 ▼その多くは長続きせずに、ユニホームを脱いでいる。「おれはもう終わりだから、おまえらに渡す」。西鉄を去る先輩の言葉が、耳から離れなかったという。「戦争がなければ全うしていたはずの選手生活の残りを渡すから…という意味だったと思うと、切ない」(『豊田泰光 108の遺言』)。

 ▼やがて華やかな時代を迎える球界だが、ベンチ裏では誰に聞かれることもなく虚空に消えた「復員選手」の哀歌がいくつもあったに違いない。「オレは確かにバトンを受けました」とつづった豊田さんも、昨年8月14日に他界した。

 ▼渡す人がいて、受ける人がいる。その作業を繰り返し、わが国は戦後72年の歳月を歩んできた。今を生きる世代がなすべきことは記憶という繊細で壊れやすいバトンの感触を手のひらで確かめ、次の世代に渡すことにほかならない。

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