主張

北のグアム攻撃 「存立危機事態」に備えよ

 小野寺五典防衛相が国会で、北朝鮮が米軍基地のあるグアム島を弾道ミサイルで攻撃した場合、集団的自衛権の行使が許される「存立危機事態」に該当する可能性があるとの見解を示した。

 グアム攻撃によって米軍の打撃力が損なわれれば、日本防衛にも支障がでるとの判断からだ。

 国民を守り抜くうえで極めて妥当な認識である。安全保障関連法は、国民の生命、自由などが「根底から覆される明白な危険がある事態」を、存立危機事態と位置づけている。

 北朝鮮はグアム島周辺30〜40キロの海域を目標とする4発のミサイルを準備中で、発射すれば日本の島根、広島、高知県の上空を通過すると発表した。

 万一の日本落下に備え、中国・四国や九州地方に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開するのは必要な措置である。

 問題は、イージス艦の迎撃ミサイル(SM3)を含め自衛隊の現有装備では、グアムへ飛んでいく弾道ミサイルを迎撃するのが相当困難であることだ。

 それでも、自衛隊が米軍へミサイル関連情報を提供することにとどまらず、迎撃などを試みて米国と守り合う行動をとることには大きな意義がある。

 日本の防衛は専守防衛の自衛隊と打撃力を提供する米軍の存在によって構成されるからである。

 グアムはアジア太平洋地域における米軍の重要拠点だ。最近も北朝鮮のミサイル発射に対抗し、自衛隊機がグアムから飛来したB1爆撃機と共同訓練を行って、日米同盟の団結を示したところだ。

 もしも周辺の海域ではなく、グアムの米軍が損害を被ればどうなるか。グアム居住の米国一般市民に被害が及ぶかもしれない。在日米軍も含め、米国は自衛のための反撃に乗り出すと思われる。

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