オバマ前大統領は、どれだけ実績を伴ったかは別として、アジア重視のリバランス(再均衡)政策を掲げた。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への取り組みでは、新たな地域の貿易ルールを中国には作らせない考えを示し、米国の関与を保証した。
それに当たることを、トランプ氏はいったいどう考えているのだろうか。
TPP離脱は、逆コースを歩む象徴となっている。ASEAN諸国などは、大国の出方を注意深く見極めようとしている。米国がビジョンを描けなければ、中国は切り崩しをさらに強めよう。
同盟国の日本が、米国の積極関与を促す責任は大きい。