築地市場(東京都中央区)の豊洲(江東区)への移転に向け、東京都が豊洲の追加土壌汚染対策工事費や関連費用として今年度と来年度分を合わせて、総額70億円超の補正予算案を組む方針であることが9日、分かった。費用には築地再開発に向けた調査費も盛り込まれる。今月28日に招集予定の臨時議会に提出され、質疑が行われる見通し。
豊洲では昨年以降、土壌汚染対策の盛り土がないことが判明、地下水から環境基準超のベンゼンなどが検出された。追加工事では、地下空間の床をコンクリートで覆う工事に15億〜20億円、地下水管理システムの強化に20億〜25億円が必要で、契約も含めた工期は8カ月と見込まれている。
複数の関係者によると、補正予算案には、こうした追加対策費に加え、豊洲移転に向けた大枠の関連経費も盛り込むことにした。具体的には、築地再開発に向けた調査費用のほか▽築地から豊洲への引っ越し関連費用▽豊洲施設における習熟訓練費▽場内に出店する飲食店が行う工事の管理費▽PR対策-などを計上する見込みという。