北朝鮮による2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、国連安全保障理事会が新たな制裁決議を採択した。
石炭や鉄、鉄鉱石、鉛、海産物の輸出を全面的に禁止する。北朝鮮の輸出総額の3分の1に相当する約10億ドルの削減を見込んでいる。
海外における北朝鮮労働者の新規雇用を禁止することが盛り込まれたのも、従来の制裁と比べれば厳しい内容といえる。
必要なのは、金正恩体制に打撃を与え、核・弾道ミサイル戦力を放棄させることである。
その意味で、北朝鮮への最も強力な制裁となる、中国やロシアからの石油供給の停止が今も実現できていないことは残念だ。日米両政府は引き続き中露に禁輸を求めていく必要がある。
北朝鮮の鉱物資源をめぐっては、昨年3月の決議で石炭などの禁輸を決めた。だが、「民生目的」という例外を残したことなどから石炭輸出は止まらず、昨年11月の決議により量・額の上限を導入した経緯がある。今度こそ徹底した禁輸が肝要である。
北朝鮮労働者に関する制裁は注目点だ。海外で外貨を稼ぎ、それが核・ミサイル開発に利用される懸念が指摘されていたからだ。
だが、新規雇用にとどまり、すでに働いている労働者は対象外としているのは問題だ。