トヨタ自動車とマツダが資本提携し、電気自動車(EV)の共同開発に乗り出すことになった。世界市場で環境技術などの開発競争が激化しており、開発の効率化などを進めて量産技術の確立を急ぐという。
英国やフランスでは、2040年までにガソリン車などの販売を禁止する動きがある。世界の自動車市場を牽引(けんいん)してきたトヨタなども、今後は厳しい競争を迫られる。
活発な提携戦略で次世代技術を早期に確立し、世界をリードして存在感を示してほしい。
そのためには政府の後押しも欠かせない。特に自動運転では、縦割りの安全規制が技術開発の障害となる恐れもある。柔軟な規制緩和を通じて民間の商品開発を支援する体制を構築すべきだ。
トヨタは20年前にハイブリッド車「プリウス」をいち早く発売するなど、世界のエコカー市場を開拓してきたが、欧米勢はEV開発を急ピッチで進めている。
トヨタが安全・環境分野で提携するマツダと協力し、出遅れ気味だったEV開発を両社で加速させるのは妥当といえる。
トヨタとマツダは19年ごろにEVを世界市場で売り出す計画という。共同開発を通じて早期の商品化を目指してほしい。