主張

ASEAN50年 日米との絆を再確認せよ

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は設立50年を迎える。

 東西冷戦期、ベトナム戦争の本格化に伴い、タイなど5カ国が反共産主義で結束を図ったのが原点である。自由主義陣営の日本と米国が、地域の安定や加盟国の発展を支えてきた。

 そのASEANが、中国の力ずくの海洋進出という大きな試練に直面している。

 中国は地域の真ん中にある南シナ海の支配を強めて軍事拠点化を進める一方、経済力を背景に加盟国を切り崩し、「親中派」を形成しようとしている。

 50年の節目に行われる一連の会合は、日米も参加してフィリピンで開催される。半世紀に及ぶ日米とASEANの強い絆を再確認する好機とすべきである。

 南シナ海は海洋国家である日米にとっても重要な海上交通路(シーレーン)である。航行の自由を守るため、ASEANとの連携をより深めることが不可欠だ。

 南シナ海の大半に主権が及ぶという中国の主張は、オランダ・ハーグの仲裁裁判所の裁定で退けられた。軍事化を直ちにやめるよう中国に繰り返し迫る努力をやめてしまってはならない。

 冷戦終結後、ASEANは加盟国を増やし、1990年代末には東南アジアと「等身大」の10カ国体制となった。大国と渡り合うには、結束しなければならない。

 だが、中国の援助攻勢を受けるカンボジアは、国際会議などの場で中国擁護の姿勢が目立つ。切り崩しは仲裁裁定当事国であるフィリピンにも及ぶ。インフラ整備など大規模な援助と引き換えに、裁定は棚上げされた格好だ。

 加盟国が目先の利益を優先させてバラバラに行動すれば、中国の思うつぼだ。10カ国を束ねる上で、日米の関与は死活的に重要なのである。

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