産経抄

AI政治家に負けるな 8月4日

 立候補者はロボットではないか。米国のある都市で2032年に行われた市長選で、こんな疑惑が持ち上がった。SF作家、アイザック・アシモフが1950年に発表した「われはロボット」(ハヤカワ文庫)の一場面である。

 ▼ロボットの心理が専門の研究者は、最高の行政官になる、と主張する。「彼は、人間に危害を加えることはできないし、圧政を敷くことも、汚職を行うことも、愚行に走ることも、偏見を抱くこともできないのですからね」。

 ▼米国の研究者、ベン・ゲーツェル氏は実際、人工知能(AI)を搭載したロボットを政治家として育成するプロジェクトを進めている。人間と違って、自らの利害や偏見にとらわれず、正しい判断ができるのが、強みだという。政治の混乱が続く韓国では、ゲーツェル氏に協力を求めた。「AI政治家」が政策にかかわる仕組み作りを急いでいる。

 ▼第3次安倍晋三改造内閣が発足した日本はどうだろう。国会でまともな答弁ができない。省内をまとめきれず、失言も多かった。こんなダメ大臣を一掃して、閣僚経験者を多数起用した。安定重視がキャッチフレーズである。

 ▼それでもなお、国民の期待を裏切るような不祥事が起これば、安倍政権の危機にとどまらない。受け皿となる有力な野党が見当たらないとなれば、いっそのこと政治をAIに任せよう、との声が日本でも上がりかねない。

 ▼香港の新聞によると、中国のAIも曇りのない目で政治を見る能力に恵まれている。IT大手が提供するAIの対話サービスに、ある利用者が「共産党万歳」と書き込むと、すぐ反論してきた。「こんなに腐敗して無能な政治に万歳できるのか」。このAIは、日本の新内閣にどんな判定を下すだろう。

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