主張

科学的特性マップ 最終処分に至る第一歩だ

 原子力発電で生じた高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くに埋める最終処分(地層処分)について、国民全体で考えるための『科学的特性マップ』が経済産業省によって公表された。

 フィンランドでは昨年末から地下施設の建設工事が始まり、スウェーデンでも処分地が決まっている。日本でも最終処分の実現に向けての前向きで冷静な議論が深まることを期待したい。

 原子力発電が「トイレなきマンション」と皮肉られるのは、処分地が決まらないまま、使用済み燃料の形でHLWが発電所内などにたまり続けているためだ。

 HLWは万年単位で強い放射線を出し続ける。その超長期保管は人間が行うより、安定した地下の環境に委ねる方が確実性が高い。こうした最終処分の考えは国際的な共通理解となっている。

 だが、日本列島には火山や活断層が多い。地下300メートル以深の岩盤中に、HLWを封入した4万本ものガラス固化体を長期にわたって安全に埋設するための適地があるのだろうか。

 今回の科学的特性マップこそ、この疑問に答える日本地図なのだ。地質環境を基準に、全国を4色に塗り分けている。

 地下の安定性を欠くと考えられる地域(オレンジ色)と地下資源の埋蔵地(銀色)を除いた地域が「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」エリア(黄緑)とされ、その中でも海岸から約20キロ以内が「輸送面でも好ましい」として緑色で示された。

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