日本の若者、ケイとヒデキが、歴史と伝統を誇る英国のウィンブルドンテニスと全英オープンゴルフで注目を集めた。
格下相手に3回戦で不覚を取り、今年も本領発揮できなかった錦織圭(27)は、全仏に続いてラケットを壁に投げつけて不安定な精神状態を浮き彫りにした。心身の疲労も蓄積していたことだろう。しかし格式を重んずる英国人には「規律正しい日本人らしからぬ行為」と映る。
テニスの聖地で史上最多の8度目の優勝を果たしたロジャー・フェデラーが助言した「勝者のメンタリティー」を持って自信を取り戻してほしい。本気でウィンブルドン制覇を目指すならフェデラーのように全仏を休み、芝対策を徹底してみてはいかがだろうか。
一方、悲願のメジャー制覇は持ち越されたが、最終日まで優勝争いに残った松山英樹(25)はこの時点で世界ランキング2位の実力を示した。
英紙ガーディアンは、正確無比のショットを激賛した。ボギーをたたいてもすぐにバーディーを取り返す。ピンチに動じないタフな精神力などから、1976年に全英を制した米国のジョニー・ミラーは「マルチな才能があるマツヤマが近く、メジャータイトルを取る」と評価した。世界最高峰を日本人が極めようとしていることが誇らしく感じてならない。(岡部伸)