背景を知るともっと面白い 「怖い絵」展が22日開幕 兵庫県立美術館

 シッカートの「切り裂きジャックの寝室」もおすすめ。シッカートは同時代の猟奇連続殺人鬼ジャックに異様に関心を示していた画家です。そればかりか彼自身が切り裂きジャックその人ではないかと疑われているほどです。本作には、人がいないのに人の気配がするという、独特な不気味さを漂わせています。

 セザンヌの「殺人」も、驚かれる人が少なくないでしょう。えっ、あのリンゴと山のセザンヌ? という感じですね。画面からあらゆる情感を排除しようとして、近代絵画の父といわれるようになった彼が、若いころはこんな激しいパッションの持ち主だった。セザンヌの新たな魅力を知る機会になればと思います。

 版画も見どころたっぷりです。ゴヤのすさまじい戦争画シリーズ、皮肉屋ホガースの「ジン横丁」、ラフマニノフの交響詩のもととなったクリンガーの「死の島」などです。

 来られる方にはぜひ「絵を読む」喜びを知っていただきたい。絵はずいぶん多くのことを物語っているのだな、動画のなかった時代には絵は動いて見えていたのだな、と当時の人々にも思いをはせていただきたい。何よりこの「怖い絵」展で絵の力というものを感じていただきたいと切に願っています。

【プロフィル】中野京子 

 なかの・きょうこ 作家・ドイツ文学者。北海道出身。著書に「怖い絵」シリーズ(角川文庫)、「名画の謎」シリーズ(文藝春秋)、「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」(光文社新書)ほか。訳書にツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫)など。

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