背景を知るともっと面白い 「怖い絵」展が22日開幕 兵庫県立美術館

 ■2 画面の片隅に

 作品の歴史的・文化的背景などの他に、画面のディスクリプション(どこに何がどういうふうに描かれているかの叙述)も詳しく書くようにしました。意外と人は画面の隅々にまで目をこらしていないものです。映画を見るとき主役にばかり注目し、そのそばで脇役が重要な動きをしていることに気づきにくいのと同じです。「ここにこんなものが描かれています」と指摘するだけで驚きを感じてもらえるようです。画家はさりげなく、しかし緻密な計算のもとに、見る人の無意識に働きかけるように小道具を描き込んでいます。そうした工夫も画家の個性を形作っているので、それに気づくだけで一挙に絵の魅力が増しますし、次に自分でも何かを見つけてやろうという気にもなるでしょう。

 「怖い絵」シリーズの作品選択に関しては、一冊の本のなかに同じ画家は使わない、国もなるべく偏らない、見てすぐ怖さがわかるものはできるだけ少なくする、怖さの種類も違ったものにするなど、読んで飽きないように考えました。

 ■3 「読む」喜び  

 今展の第一のおすすめは、初来日の「レディ・ジェーン・グレイの処刑」ですね。夏目漱石の「倫敦塔」でもおなじみです。イングランド初の女王ジェーンが反逆罪により16歳で斬首された歴史画です。画面もドラマチックですが、この絵自体の運命もそうでした。発表時に大評判になったにもかかわらず個人蔵となり、半ば忘れられ、数十年後やっとイギリスへ来ますが、テムズ川の氾濫で、今度は半世紀近く行方不明になってしまいます。消失したと信じられていたのですが、1970年代、奇跡的に無傷で見つかります。その後ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵となりますが、あまりに多くの人たちが絵の前に集まり立ち止まるため、床の修理をしなければならなかったほどの人気作です。

 「夢魔」も初来日でうれしいです。眠る女性のからだの流れるような線と、その上にのった異形のもの、カーテンを割って首を出す馬。夢というものの怖さと官能を、このように造形したフューズリの想像力はすばらしい。

 あとはドレイパーの「オデュッセウスとセイレーン」。今回はモッサの「飽食のセイレーン」も来るので、比較する楽しみもあります。関連する「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」は、今展ナビゲーターの吉田羊さんが一番のお気に入りの美しい作品です。

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