ボクシングWBAのヒルベルト・メンドサ会長は25日、パナマの本部で会見を開き、WBA世界ミドル級王座決定戦(20日、有明コロシアム)で村田諒太(31)=帝拳=がアッサン・エンダム(33)=フランス=に1-2の判定負けを喫した試合について、両者による調整試合を挟まないダイレクトリマッチ(再戦)を正式に指示した。同時にエンダムの勝利と採点をしたグスタボ・パディージャ(パナマ)、ヒューバート・アール(カナダ)のジャッジ2人を6カ月間の資格停止処分とした。
メンドサ会長は「試合直後に私は採点がおかしいと言い、再戦を指示したが、さらに試合を詳細に検討した結果、ジャッジ2人を厳正に処分しなければならないことが明らかになった。彼らは6カ月の資格停止とともに、再びジャッジをつとめる場合も数回の適正検査を受けることになる」と話した。
メンドサ会長は試合直後の公式サイトで「私の採点では117-110で村田の勝ち。村田、日本のボクシングファンに謝罪したい」と採点の非を認めていた。
試合は村田が4回にダウンを奪うなど優勢に試合を進め、米国人ジャッジは7ポイント差で村田の勝ちとしたが、パナマとカナダのジャッジが数ポイント差でともにエンダムの勝ちとした。
帝拳ジムの本田明彦会長(69)は「今までで一番ひどい採点。あの2人を除く全員が村田の勝ちだと思っている」とジャッジへの憤りをあらわにし、メンドサ会長の試合直後の再戦指示には「ジャッジに処分が出ないなら、再戦は選択肢に入らない」としていた。
すでに村田にはWBC、WBOからもタイトル戦のオファーがあり、村田は次戦について複数の選択肢がある。ジャッジの処分でエンダムとの再戦を選ぶかどうか。