【ベルリン=宮下日出男】ドイツ西部ドルトムントで11日午後7時15分(日本時間12日午前2時15分)ごろ、香川真司選手が所属するサッカー・ブンデスリーガ1部、ドルトムントの選手が乗ったバスの近くで爆発が発生、乗車中の選手1人が負傷した。検察当局は12日、爆発に関与した疑いでイスラム過激派の男1人を拘束したと発表した。
検察当局はほかの過激派1人の行方を追い、関係先も捜索したことを明らかにした上、爆発が過激思想を背景とし、ドルトムントを狙った「テロ」の可能性があるとの見方を示した。
現場付近では犯行声明の可能性がある文書も見つかった。メディアによると、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討作戦に独軍機を派遣していることを批判などした内容で、当局が分析している。
負傷したのはスペイン人DFのマルク・バルトラ選手(26)で、腕を骨折した。調べによると、選手らが宿泊先ホテルから試合会場のスタジアムに向かってバスで出発した直後、道路の脇で爆発が3回発生。バス後部の窓ガラスが割れるなどした。爆発物には鉄製の釘が仕込まれていた。
ドルトムントは11日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝で、フランス1部リーグのモナコとの試合が予定されていたが、12日に延期された。独政府報道官は12日、爆発事件を「不快な行為」と非難する一方、ファンに冷静さを呼びかけた。