衝撃事件の核心

商談相手が別人にチェンジ…米仏ビジネスの振込先が「足立区」に 世界で「ビジネスメール詐欺」猛威

商談メールのやり取りをジャックし、偽メールで別の口座に現金を振り込ませる-。今年に入り、そんな「ビジネスメール詐欺」をめぐる事件が次々と明らかになった。世界中で昨年までの約3年間に約3560億円の被害が報告されており、世界的な問題となっている。現代ビジネスの必須ツールとなったメールだが、送受信している相手が「本物」なのか疑わなくてはならない時代が訪れている。

きっかけは「1通のメール」

「振込先が変更になった」

2016年3月、フランスの建設会社の経理担当者に英文のメールが届いた。メールは、米国の船舶修理会社側との艀(はしけ)の修理代金に関する問い合わせの返信だった。それまでのやりとりで指示されていた振込先は米国の口座だったが、変更先として指定してきたのは、なぜか日本の都市銀行の口座だった。

不審に感じた担当者が変更の理由を問いただすと、相手は「ボスに確認する」とし、その後に届いたメールでも変更の方針が変わらないことを告げたという。

一連のやりとりを経て、相手を信用した担当者は、修理代金の36万ドル(当時のレートで約3950万円相当)を指定の口座に振り込んだ。しかし、その後の会社側の調査で米国の船舶修理会社に入金がなかったことが明らかになり、被害が発覚した。

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