「万死に値する」。文部科学省の組織的天下り斡旋(あっせん)問題をめぐり、7日に行われた衆院予算委員会の集中審議では、文科審議官当時の違法な再就職斡旋が発覚し引責辞任した前川喜平前事務次官や調整役だった人事課OBの嶋貫和男氏が参考人として出席し、謝罪の言葉を口にした。
午前9時前、前川氏らは硬い表情で入室。再就職等監視委員会の調査で、自ら再就職斡旋に関わっていたと認定された前川氏は冒頭、「事務方のトップである事務次官の職にあった者として責任を痛感している」と謝罪。「国民の信頼を揺るがし、万死に値する責任がある」と頭を下げる場面もあった。
違法性の認識を問われると、「順法意識の欠如があった」「OBによる再就職斡旋は規制に当たらないと軽率に信じていた」などと釈明した。
組織的再就職斡旋の枠組みの中心と位置付けられている嶋貫氏は「民間人の立場で許される範囲のものと考え、人助けという思いで行ってきた」「私の思いでやってきた」などと繰り返し語り、違法性の認識を否定した。斡旋が組織的と指摘されたことについては、「人事課の職員にも迷惑をおかけし、断腸の思い」と口にした。
再就職先での厚遇ぶりに質問が集中すると苦しい答弁となり、次第に言葉が詰まりがちに。議員席から「信じられない」との声が上がり、いたたまれないような表情をみせた。